お気に入りの干し柿について

今回は干し柿についてお話ししたいと思っています。友人から「渋柿いる?」と電話がありました。「いる、いる、いる。」と3回も「いる。」を言ってしまったのですが…約100個ほどの渋柿を頂きました。去年、初めて10㎏(約50個ぐらい)の渋柿を買って干し柿を作ってみたのですが、これが自画自賛で恐縮ですが…初めてにしては傷むこともなく結構美味しくて干し柿のファンになってしまいました。

完成した干し柿を知人何人かにお裾分けをして味を伺うと「上手に作ったなぁ、干し柿はそんなに好きではなかったけど、まぁまぁ旨かった。」と言ってもらえました。このフィードバックが嬉しくて「来年も絶対作ろう。」と思って、あちこちの知人に「渋柿が手に入ったら分けてね。」と頼んでいます(笑)。

今年はピラーで皮をむこうと思ったのですが、ピーラーでは皮が固く剥けないので、結局、包丁で約100個の渋柿の皮を剥きました。約2時間ぐらいはかかったでしょうか?剥き終えた後は後には結構達成感がありました(苦笑)。カビが生えないようにクラクラに沸かしたお湯に渋柿を5秒ほど浸けて消毒をする方法もあるのですが、去年初めて作った時に焼酎で消毒する方法もあると知り、試してみました。味噌を家で作る時には、消毒に焼酎を使うので干し柿にも使えるだろうと思って挑戦してみました。結果、結構良い味になったのでそれに味をしめて今年もその方法を試しました。

ベランダに細い農業用の支柱を渡し、剥いた干し柿のじくにビニールの紐をくくりつけて、やじろべえの要領でひっかけれいきました。その後に焼酎をかけていきます。寒風にユラユラと揺れて100個近い渋柿を眺めると…作りきったという達成感も助けて、とっても良い気分になれました。

それから時折焼酎で消毒をしつつ、周囲が少しずつ硬くなっていくので、硬く食べにくくなる前に干し柿をもみながらやわらかく美味しい干し柿に仕掛け仕上げていきます。干し柿は渋柿のままでは食べられないので乾燥させることで旨味を引き出して(タンニンが渋みの成分なのですが)そのタンニンが甘くなり、あのねっとりとした感じになり、独特の味わいが生まれるのだそうです。糖度はなんと砂糖の1.5倍以上になるということです。

干し柿は日本だけのものなのかなと思っていたのですが、お隣の韓国やもう一つお隣の中国でも結構親しまれています。調べてみると…西暦900年頃だと聞いたのですが、中国から日本にその作り方が伝わってきて、日本でも作り始めたと分かりました。その中国では西暦600年頃に書かれた本の中に干し柿の作り方があるそうです。中国は凄い国だなぁとつくづく思います。

この干し柿の栄養素なのですが…骨を作ったり壊したりする事を助けるマンガンが入っているほかに、ベータカロテンや食物繊維なども含まれていて、健康にも良いみたいですよ!

私は出来上がった干し柿を包丁で5ミリぐらいに細く切って、それを少しずつ食べるのが好きなのですが、近所のおばさんは柿なますが美味しいんだとおっしゃっていました。人参の代わりに干し柿を千切りにして甘酢で漬け込んで食べるとさっぱりとして、何とも言えない味だそうです。他にもラム種につけたり、干し柿でフルーツケーキを作ったりして、結構幅広く楽しめるみたいですよ。今年、試してみたいのは…蒸し干し柿が美味しいとの情報があったり、クリームチーズと干し柿を合わせて(干し柿を細く切ってその間にチーズケーキを挟んでもう1度干し柿をくっつけてサンドイッチにする)食べてみたいなと思っています。その味を想像すると何とも食いしん坊の私にはたまりません。皆さんも少々手間ですが渋柿が手に入ったら焼酎で消毒するのは簡単ですのでぜひ干し柿を作って美味しい干し柿を楽しんでみませんか?