ジャズミュージシャンと横笛について
今回はミュージシャンについてお話ししたいと思います。ジャズが好きな方はたくさんおられます。私もその一人です。中学生の頃にレコード盤で初めて聞いたジョン・コルトレーンさんの曲に引き込まれて、その時からファンになりました。

John Coltrane Omnibook: For B-Flat Instruments (John Coltrane – Omnibook)
先日、このジョン・コルトレーンさんに背中を押されてジャズミュージシャンになった坂田 明さんのインタビュー記事を読む機会がありました。坂田さんは超有名なミュージシャンで、ジャズにのめり込んでいって、自分より上手いミュージシャンは世間には沢山いる。そこに挑んでいっても勝てっこない。だから「即興のジャズを自分のスタイルで練習して、それを極めるんだ!」と息を思いっきり吹き込んで指を可能な限り早く、早く…動かす方法を無我夢中で練習したと話されていました。
ある時坂田さんは観客が一人っきりのステージに立って演奏をいつもと同じように全力でしていました。この坂田さんのステージを見たそのお客さんが…この全力のステージを見終えてそっと席を離れたそうです。坂田さんは演奏をやり終えた後、フッと気が付くとそのお客さんが席からいなくなっていて「怒っていたよ。」と従業員さんに声をかけられてちょっぴりしょげたそうです。
何故、怒っていたのか…それは「こんなに素晴らしい演奏をしているのに、客がどうしていないんだ。」と怒っていたと更に告げられたそうです。この言葉をきっかけに坂田さんは自信が徐々に生まれ、サックスと言えば坂田 明と言われるところまで上り詰められたと知りました。
広島大学の水畜産学部を卒業して、どうしても音楽がやりたくて「3年間だけ東京で頑張ってこい。それで駄目だったら広島に帰ってこい。」と親族会議で言われ上京。それからトントン拍子で山下洋輔さんとの共演が叶い、フリージャズの山下トリオのメンバーで7年間活動を重ねられました。坂田さんは変化することを常に求められ、それに対して「俺はでたらめな人間だけど、常に変わり続けるんだという点では一貫しているよ。」と常にジャズシーンの最前線にいる方です。
年齢もジャンルも異なるミュージシャンと同じステージに立って、先が見えない時間の渦を巻き起こす坂田さんはこんな姿勢なので「アメーバのようだ。」と言われるみたいです。

AKIRA SAKATA/early 1980's
私は洋楽器も好きですが、ジョン・コルトレーンから始まってジャズは聞くこと専門です。和楽器は実際にどうしても自分のものにしてみたいと思い30年程前から篠笛を練習し始めました。音が鳴る程度ながら今でも一人になれる時は、車の中で吹いてみたり、海岸に出かけて行ってワンちゃんやネコちゃんという聴衆を得て、坂田さんのように、アメーバのように自由には演奏できませんが(笑)民謡、演歌、映画音楽と自分の今の能力で吹けるものを楽しんでいます。そんな時は1時間ぐらいはあっという間に過ぎてしまいます。

バタバタしていてなかなか篠笛を吹きに出かけられないことも多いのですが、ジョン・コルトレーンの演奏をレコード盤で聴いて、坂田さんのインタビュー記事を読んで…そうだ!自分も楽器、篠笛があったと思い出して、また吹いてみようかなと思っているところです。皆さんもハーモニカでもリコーダーでも良いと思うのです。ちょっと音を出して楽しい時間を過ごしてみませんか?