作物を育てることの可能性について
今回は作物を育てることの可能性についてお話ししたいと思います。
知り合いのおばあちゃんが育てたいとずっと思っていたブドウの苗木が、手に入ったと2種類のブドウの苗をそれぞれ2本ずつ合計4本を近くの園芸センターで買い求めて、畑に支柱を立てて定植できたと満面の笑みで教えてくれました。
その苗木が手に入るまでに土の中に石灰を適量まいて土の酸性度を調整し、鶏糞や牛糞堆肥を混ぜ込んでしっかり土に栄養を与えておいたそうです。やっと手に入れたブドウの苗木を一本ずつ丁寧に植え込んで水をいっぱいかけてあげたと伺いました。

余程嬉しかったのだろうと感じたのが「ちょっと見ていってくれる。」と声をかけて頂いたからでした。喜んでその定植したばかりの苗木を観させてもらいました。一本ずつにブドウの品種の名前の書かれた紙がくくりつけられていました。実がなるのが楽しみで何とも言えない表情でその苗木を見つめているおばあちゃんの横顔が
とても印象的でした。
農業と福祉の連携が言われるようになって久しいのですが、その話がじわじわと進んでいるとニュースや色々な雑誌や新聞で目にする機会が多くなっています。この農福連携は近所のおばあちゃんのあの笑顔に象徴されるように生きがいを感じられる、やりがいを感じられるものだと理解できます。また植物と触れ合うことでその良さに人が集まってふれあい、語らうといったところが連携したいと多くの方が感じるところでしょうか。
しかし・・・難しい面もあってもしも障害のある方が農業を担うという時に顔が一人一人違うようにそれぞれの人が持っている障害にも差がある、違いがあるのでAさんはこの作業ができるからBさんもCさんもなんとか練習すればできるというものではないという点が挙げられると思います。
また農家から見てもそれぞれの得意分野があって・・・苗を育てるのが得意な人とその苗を植えて大きくするのが得意な人と収穫したものを加工したり付加価値をつけるのが得意な人がいて色々な得意があると思うのですが、それをミックスしなくてはならないという点も難しさのひとつだと感じています。
どうして農福連携が注目を集めるようになったのかを考えてみると・・・街を走っていると感じるのですが、畑がどんどん減って商業施設になっていく現実はよく目にします。農業をする人の数の減少と高齢化が進んでいるということも感じることと、障害を持った人側から見ると就職をしたいと思っていてもなかなか就職するに至らないケースが多いと聞きます。このような社会的背景がきっと農福連携を声を大にして叫び出した背景にはあるような感じを受けています。

農業する人からのメリットを考えてみると・・・労働力が絶対的に足りないのでその部分を助けてもらえるかもしれない。農業という得意分野を通じて社会に貢献できて自分自身のQOLを向上するきっかけになるかもしれない。また、人と人とのコミュニケーションが盛んになるので自分の生まれ育った大切な地域の活性化につながるかもしれないということが考えられます。
また障害を持った人側から見たメリットは・・・それぞれの障害に違いがあるがその作業能力を考慮した仕事の分担がしやすいという点があるということ、風に当たり太陽を浴び土の匂いを感じられる。自然に自分の身を置くことで心身にプラスの効果が得られるということ。そこで頑張っていくと一般企業や様々な店舗への就労ができるようになるかもしれないということ。孤立しがちな障害者が社会というコミュニティに参加をする機会が得られる可能性が高まると言えると思います。
農地を買ったり借りたり、またその借りた農地をどのように運営していくのか!色々なクリアしなければならない問題はあるのですが・・・5年、10年先の事を考えると第1次産業の一つである農業が活性化することはきっと様々な人にとってはとても有意義なことであるのではないかなと感じています。
今回は農業と就労について考えたその内容でした。