ちょっと一服・・・緑茶の成分「テアニン」について

2021-11-17

今回は緑茶についてお話ししたいと思います。「ちょっと一服しませんか?」と言ってくれる人がいる。本当にホッと一息つくことができます。お茶で思い出す話があります。「三献の茶」と言われているそうですが・・・豊臣秀吉が鷹狩に出た時に喉が渇いたということである寺でお茶を所望しました。その時に汗をかいてるだろうから初めはぬるめのお茶をたくさん出し2杯目は少し温めたお茶を少なめに立て、最後は熱い濃い目のお茶を少量出してゆっくり楽しんでもらうと言うお茶の出し方をした石田三成のことを思い出します。

きっと創作された逸話と思うのですが・・・こんな緑茶の独特の味わいを作る主な成分にはカテキンとカフェインとアミノ酸があります。健康成分として広く知られているカテキンは渋みが強く、苦味の主な成分はカフェインになります。ではアミノ酸は?何杯飲んでも飽きない美味しいと感じる旨味成分にアミノ酸があげられます。

お茶の美味しさを演出する成分として欠かせないものです。このお茶に含まれるアミノ酸の半分以上は「テアニン」と呼ばれるお茶独特の成分で、その他にグルタミン酸なども含まれているようです。お茶の木の根の部分でこのテアニンは合成され、成長とともに葉に止まるようになりテアニンがお茶の葉の中に多く蓄積されることでまろやかな風味になると言われています。この成分に日光を当てるとポリフェノールのカテキンに変化して苦味の成分が増えます。高級茶の玉露というのがありますが、この玉露を作る時に日光にあまり当たらないようにカバーで覆いをするのですが、これはカテキンによる渋みを少なくする為だと知りました。確かに高級なお茶程このひと手間が重要でテアニン尾含有量が増えるそうです。このテアニンなのですが最近注目されだした成分の一つで「ぐっすり寝る」ことができないとか夜間中途覚醒してしまうと日中注意がしっかり続かなかったり、手足が冷えるなど自律神経症状に関係した色々な症状を改善すると言われだしたので注目を集めているようです。

ではどうすればこのテアニンを十分に緑茶で味わうことができるのかということなのですが・・・お茶の旨味はグルタミン酸であるというお茶を研究した方からの報告がたくさんあるのですが、グルタミン酸だけではお茶独特の甘みが再現できないようです。アミノ酸や香気成分が合わさることでお茶の旨味、甘みは感じられるようです。

カテキン、カフェイン、アミノ酸・・・お茶の味わいを作る三つの主成分は水への溶けやすさがそれぞれで異なります。アミノ酸は水にとても溶けやすいのですが、カフェインやカテキンは水に溶けにくいという性質を持っています。この性質を利用してお茶を入れるお湯の温度やつけておく時間を微妙に調整することで旨味成分のアミノ酸とカテキンのお湯の中に出てくる含有比率を変化させることで甘みと渋みのバランスを調節することができ、何とも言えない美味しいお茶が入れられるそうです。

旨味成分のアミノ酸やその中の一つテアニンは水出しや氷水で出すとお湯で出すよりもしっかり出てくるのですが、しぶみや苦味のカテキンやカフェインは追い出してたくさん出るとも言われています。温度の調整が必要で大切になってくると理解できます。お湯の温度や抽出時間を調節するのは難しそうなのでもっと簡単にテアニンが摂取できるようにということでお茶を扱う会社からテアニン入りのサプリメントも販売されているそうです。そのほとんどはお茶から抽出されているサプリメントになるそうで化学合成ではないので食品であるということです。睡眠改善効果等は時間ををかけて現れてくると言われています。

自律神経にも良い効果があると思いますのでお湯の温度を調節し抽出時間を調整してゆっくりとお茶からテアニンを出し楽しむ時間も含めてお茶を飲むことで健康になれれば良いのではないかなと思います。健康の基本・・・定期的な運動と規則正しい生活、食生活の安定だと思います。その一つのアイテムに緑茶を加えてみては如何でしょうか?