新米と古米・・・お米作りの思い出について
今回はお米についてお話ししたいと思います。小学校の運動場の片隅には水田があったことを思い出します。周りの畝はコンクリートのブロックで作られていて、広さは5m×10mぐらいはあったと思います。近所の農家のお父さんが立ててくれた苗を毎年5月ぐらいに届けてくれていました。その苗を水田にみんなで少しずつ植えて、水を入れたり、出穂してから1か月後の10月頃には水を抜いて10日後位に水田の土がひび割れるほどカラカラにしたりと世話をしたことを覚えています(水を落として稲を乾かすことで登熟させるためと教わりました)。

おたまじゃくしがカエルになり、あめんぼうが泳いでいました。途中はボール遊びや遊具で遊んで水田のことは忘れてしまいそうになるのですが、赤とんぼが飛び交う頃に収穫をして、脱穀します。精米を済ませたお米をみんなで家庭科室で炊いておにぎりを作って食べたことを思い出します。このおにぎり・・・塩むすびだったのですが、なんとも美味しかった。みんなで育てたお米で作った塩むすび、今でも忘れられません。

現在、お米はダイエットの敵とばかりに食べることを敬遠する方が増えているような印象を持っています。何故敬遠されるのか?糖質なので敬遠されるのは分かるのですが・・・。ご飯はきっと美味しいから食べ過ぎるからですね。それと精米の技術が上がって精白度を高め糠の量が増え、きれいな透き通ったお米が手に入るので、益々美味しくなって食べ過ぎるからでしょうね!
前の年に収穫されたお米は11月から古米「古い米」と呼ばれるということを知りました。古米と書いてしまうとお米を食べる人が減ってきている今、さらに美味しくないような印象を持ってしまって益々敬遠されますね。しかし、保存技術がかなり進歩したことと精米をせずに玄米で保存するとほぼ新米と変わらない品質が維持できるようになってきているそうです。
ある農家のお父さんが話されていたことを思い出すのですが・・・「お米を毎年作っているけど、だんだんと歳も重ねてきたしいつできなくなるかわからない。年に2回獲っていた時もあったけど、今は年1回。すごいで・・・年1回しかできないものを毎年続けて腕を磨いて行くんや。でも、もう作るに疲れてきた。食べてくれへんもんを作ってもしょうがない。」と話され「食べ物に困ってきて、今からたくさん作ってと言われても、もうできへんよ。」と寂しそうな顔で話されていたことを思い出します。
お米の消費量が減るとお米農家も先が見通せなくなるので、米の作付面積をどんどん減らして前の年と比べると65,000ヘクタールも減ったというデータも目にしました。農林水産省の統計によると米の生産量は今年初めて700万トンを下回ったそうです。食べ物の多様化やパンを食べる方も増えたということで向かい風となって、ますます減り続けているそうです。私は単純ですからたくさんのお米を作ってそれを食べ物で困っている国、お米を食べる習慣がなくてもこの美味しさはきっと世界どの国の人でもきっと認めてくれる主食になるのではないかなと思っています。国も農作物保護で輸出できない場合もあるだろうし、送れる国にはどんどん送っているということは理解できるのですが、プレゼントではなく買ってもらうという方法に徐々に変更できないものなのかな?難しいのかな?と単純に思っています。

新米が今年も出ました。新米が出ると去年のお米「古米」には手が伸びにくいのですが、今はインターネットでも古米を適切な値段で売ってくれるお店は結構ありますので、探して買ってみませんか!塩むすびでも良いので作って食べてみてはいかがでしょうか。きのこご飯というのを最近作ってみたのですが、ご飯にきのこ、お醤油等を入れて炊き込みご飯風にすると本当に美味しいのです。お米のおいしさを見直してもっとお米を大切にしてみませんか!