食品添加物として利用されている硝酸塩について
今回は食品添加物として利用されている硝酸塩の性質についてお話ししたいと思います。この硝酸塩は土を含む地球上に広く分布しています。土に根を張って生きていく植物は窒素を硝酸やアンモニウム塩の形で根っこから吸収し、炭水化物からアミノ酸やタンパク質を合成しています。吸収された亜硝酸塩などの量が多すぎたり、太陽の光が十分に当たらないと吸収された硝酸塩などがアミノ酸(タンパク質)に合成されずに植物の体内で溜まってしまうと言われています。
この硝酸塩は食品の添加物としてチーズや清酒加工肉などに使用が許可されているのですが一部では癌を発症する事に関与する恐れがあると指摘されています。摂取と発がん性の間の関連性についての証拠は農林水産省の見解では・・・通常摂取する程度では有害ではないとの考えが示されています。

硝酸塩はミネラルの一つで体の中で作られます。感染症患者の方の尿から高い濃度で検出されることから体の防御を担当する白血球の一種でマクロファージが硝酸塩を精製していることが分かったと言われています。詳しく調べてみると通常摂取するぐらいでは人体に有害なものではないと言われています。しかし、人間の体内で還元された亜硝酸塩という物質に変化するとメトヘモグロビン血症や発がん性物質のニトロソ化合物の生成に関与する恐れがあるということが一部で指摘されているようです。体の中で硝酸塩から亜硝酸塩への転換のメカニズムはとても複雑だそうです。食べ物に含まれる硝酸塩が転換されるばかりではなく体内の他の窒素含有化物・・・
これはアンモニアやヒドロキシアミンなどが酸化され硝酸、亜硝酸塩が生成されるということから食物由来の硝酸塩のうちどの程度の量が亜硝酸塩に転換するかははっきりしていないとのことです。
硝酸塩の摂取と発がん性については1970年代に摂取量を制限した欧米やオーストラリアで前向きな研究が行われているそうです。例えば西オーストラリアの大学でマーク・シム先生らが研究しているデータでは硝酸塩をたくさん含む緑黄色野菜を積極的に摂取する中高年はそうでない集団に比べて同じ運動量でテストすると両下肢の筋肉量が増加したというデータがアップされていました。若年層でも硝酸塩の摂取によって運動中の骨格筋への血液の流れる量が増加すると報告され2018年国際オリンピック委員会はドーピング物質の一つに指定したと言われています。

発がん性物質との関連が取り上げられたり、血流量が増えてアスリートにとってはドーピングの物質と強化されたり、すごく良い面と心配な面が隣り合わせている物質ですが、食品添加物としても認められていますしほうれん草やレタス、大根にたくさん含まれているので今後研究が進んで硝酸塩や亜硝酸塩が人にどのような影響を与えるかしっかり注視しておく必要があるように思います。食べ物にも気配りが本当に必要だと感じます。