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今回は筋力の低下による困った症状についてお話したいと思います。男女を問わず年齢を重ねると筋力の低下は避けて通ることはできません。走れなくなり、早く歩くことができなくなり、重たい荷物を持つことができなくなり・・・と力仕事がだんだん苦手になってきます。その状態に抗えども思うようにいかないのが加齢による筋力低下だと思います。
特に骨盤底筋群が筋力低下を起こすと尿漏れなどで悩む人がグッと多くなります。重たいものを持ち上げた時やくしゃみをした拍子に思わず尿が漏れて下着を汚してしまうということは経験する方もあると思います。「腹圧性の尿失禁」と呼ばれる状態です。

骨盤底筋群と呼ばれる筋肉は膀胱や尿道、直腸、子宮等をハンモックのように支えている筋群です。この骨盤底筋群が筋力低下を起こすと先ほどもお話したように力を入れるとお腹に圧がかかって尿が漏れてしまう症状が起こることがあります。この骨盤底筋は骨盤骨、尾骨、腰骨などにつながっている多数の筋のことで呼吸の際にも横隔膜と共に動いて腹圧を一定の状態に保つ、また歩いて移動することを安定させるのに役に立っている筋肉です。また背中がピンと伸びた姿勢を維持する働きを担ってくれています。
筋肉は90歳を過ぎてもトレーニングするとしっかり付いてくるので、加齢による筋力低下を完全に抑えることはできませんが・・・一時期に一気に落ちてしまうことはしっかり予防できます。また落ちてしまった筋力を回復させることもできます。この骨盤底筋群も筋肉ですから複雑なところに存在していますが筋トレで鍛えることが可能で例外ではありません。決して加齢変化だからしょうがないな!と諦めてしまわずにコツコツとトレーニングをすると改善させることが可能です。
このトレーニングの方法なのですが、簡単にできる方法としてケーゲル体操というものがあります。1940年代にアメリカの産婦人科のドクターが考案した方法でその名前からケーゲルという名称になったそうです。排尿する時に肛門、膣をしっかりギュッと締めるとおしっこが止まります。このおしっこを止める時に働くのが骨盤底筋群で、収縮したという証拠です。排尿がこのようにして止められるんだという感覚がちょっぴりでも体で理解できたら、トレーニングを始められます。