今回は微量元素の亜鉛と人の体についてのお話です。亜鉛ってどういう風に働くのかなと思われる方も多いかと思います。思い寄らぬ病気にかかり、ベットで長い時間横になって過ごさなくてはならない状況になってしまった時に、皮膚の状態が思わしくなくて褥瘡(床ずれ)ができたおじいちゃん、おばあちゃんに亜鉛が欠乏しているということがあります。この亜鉛は普通に食事をされていれば他の微量元素と同じく不足することはほとんどないのですが…。
亜鉛はたんぱく質の合成や免疫系に関与している重要な栄養素で、この亜鉛が欠乏すると皮膚の形成と細胞の増殖に影響を及ぼして、傷口の治癒が遅れると言われています。また抗酸化作用もあって、活性酸素の処理にも関係しています。欠乏症が重症化すると好中球や白血球の機能に影響が出て免疫能力がかなり低下してしまいます。
寒さが徐々に厳しくなってきました。インフルエンザやウイルス性の胃腸炎などで体調を崩しやすくなってくるので注意が必要です。細菌やウイルスへの抵抗力を高めるためには、夜しっかり寝ることやバランスの良い食事が欠かせないですし、亜鉛も重要なミネラルのひとつと意識したいですね。

遺伝子に働きかけタンパク質合成を促し細胞再生を担います。肝臓や脾臓などで新しい細胞を作ることを助けるのが亜鉛です。また免疫力を上げたり、加えて亜鉛が少なくなると食べ物の味をしっかり感じられなくなって、食べ物が美味しくなくなってしまうと言われています。